築炉とは
私たちが生活の中で使用している機械や生活用品などは、殆どが何らかのかたちで炉を潜り抜け、製品としてこの世に生み出されています。
【炉】の種類には鉄鉱石から鉄を作り出す『溶鉱炉』から金属・非金属などに熱を加える『加熱炉』、また陶器などを焼く『窯炉』や産業廃棄物処理の『焼却炉』など多種多様にわたりますが、これらの【炉】の内部には耐火材や断熱材などの耐火物が施工されており、この『耐火物』が1000度以上もある高温溶融物から【炉】本体を守る役目をもっています。
『築炉』とは、これらの多種多様にわたる【炉】の内部に耐火物を施工することであり、【炉】の安定稼動に非常に重要な役割を持った作業なのです。
心に響く仕事・・・「築炉工」
ひと夏が勝負です。滴る汗に一日幾度もシャツを替え、冷風機の風さえぬるく感じられる夏の現場があります。どの新人も、入社後に迎えるこの最初の試練を乗り越えて、築炉工という、あまり世に知られていない究極の職人に1歩近づいていく時期を必ず迎えます。
製鉄所内では、溶けた鉄を貯めたり運んだりする「鍋」と呼ばれる容器があります。
溶けた鉄の温度は1000度以上にもなるため、同じ鉄の容器では受けることができません。
そこで鉄の容器の内側を、耐熱・耐火レンガで覆い尽くします。
形状も大きさも様々な炉を、築炉工はひとつひとつレンガを積み重ねることで仕上げていきます。寸分の狂いもない作業が求められるため、新人の最初は、炉の中にすら入れません。
材料などを運ぶ補助作業の手元からはじめます。
新人は炉の中でレンガを積ませてもらえるように、昼休みなどの休憩時間には、作業場の片隅でレンガを積む練習をしています。
昔は全国各地に大勢の築炉工がいましたが、高齢化が進み、その数は年々減少し、後継者の育成は、業界全体の課題となっています。
「築炉工」は鉄づくりの裏方の仕事です。どんな優れた技も実績も表に出ることは、ほとんどありません。それでも若いメンバーたちは、一流の職人になろうと、日々レベルアップをはかっています。
1ミリの狂いもなくレンガを積み上げた瞬間に沸きあがってくる達成感があります。そのやり甲斐を求めて、毎日レンガを運び、積む作業です。最初の夏を越すころには、新人職人たちの心にも、炉のごとく、鉄の熱さにも夏の暑さにも負けない強い誇りが育っています。
一人前の【築炉工】を目指して
「築炉工」とは、断熱、耐火の性質を持つ材料(レンガ・セメント)を使って1,000度以上の熱に耐える容器(炉)を作る、あるいは補修・改修などあらゆる炉を施工する職人です。
① まずはレンガをひっつける「モルタル」を練ることから。
② 炉の外でレンガにモルタルを塗る練習。厚さ2~3ミリが目標。
③ レンガを思いのカタチに切る練習。「割る」ではなく「切る」と言います。
④ およそ1年くらいかけて、じっくり先輩のレンガの積み方を「見て、覚える」
⑤ 3年・5年・10年とコツコツ丁寧に経験を積み重ねて立派な職人を目指します。

